山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です🦷✨
毎日暑い日が続きますね💦
それでも朝晩は涼しくなってきて秋の訪れを感じるようになってきました😀
日中は体調管理と水分補給をしっかりしつつ暑さに耐える日々だと思いますが
インフルエンザなどの感染症も流行ってきているようなので気をつけてお過ごしください‼️
以前ご紹介したワンデイトリートメント(1日で治療)に近いものですが
仕事や育児で忙しくて歯科治療に時間が取れない方、県外や海外の引っ越す前に治療をしたい、逆に県外や海外から宇部に帰省で戻ってきた期間に治療をしたい、一部でしか噛んでないので被せ物がないと食事しにくいから被せ物がない期間を無くしたい
などなど
短期間で治療を終わりたい方向けの短期集中治療について
先日そのような治療をいくつかさせて頂いたので
少し流れを書いてみたいと思います。
目次
海外から一時帰国された際の奥歯の治療
海外在住で、一時帰国された際に当院を受診された患者さん
海外在住で一切日本語が話せない娘さんと宇部市出身で日本語も話せるお母さん😅
ヨーロッパで仕事されていて、一時帰国された際に受診される患者さん
留学生の患者さん
などなど
当院のような地方の山口県の宇部市の小さな歯科医院でも世界を感じることが稀にあります😅
ただ、海外で治療されたという歯を見ると…
費用は日本の治療費の数倍〜数十倍かもしれませんが、治療内容は「う〜ん…」といったこともありますし
流石に費用がかかるだけあってしっかりしてるなって感じることもあります👍
ちなみに英語は苦手なので、当院では日本語が話せない方とは翻訳アプリ等での対応になります🤣
(現在医療英語を勉強中なんですが、なかなか上達しないせずご迷惑をおかけしています…)
本題に戻って
今回は海外から一時帰国された患者さんの奥歯

鏡を使って撮影した写真なので
少し曇ってしまってて見にくいのですが😰
奥歯の被せ物に穴が開いており、虫歯もできています。
これを帰国中にワンデイトリートメントで治療をされたいとのご希望がありました。
全体的に色々と問題はあったりするのですが
それはインプラント含めて海外で治療を受ける予定とのことで、当院では前歯の小さな虫歯とこの奥歯だけ治療することになりました。
予定外の事態
海外で全体的な治療をされる予定で、この歯の奥にはすでにインプラント治療がされており
海外の主治医の先生(国によっては治療は専門医が行うことがあり、主治医の先生が歯周病、インプラント、矯正、被せ物などの専門医に患者さんを送ってその治療を行ってもらうのが一般的です)からこの歯は特に問題ないということで専門医にて奥の歯がない部位にインプラント手術をされたそうで
レントゲンでも被せ物の下に詰め物はありますが根の先に明かな病変(根尖性歯周炎)を疑うような感じではありませんでした。
出国までの日数が少なくお急ぎのためワンデイ治療の希望があり、この歯の治療を引き受けさせて頂いておりましたが。
ただ、実際に銀歯を外していくと…
本来神経が入っている深い位置まで詰め物があり、さらに内部は虫歯で真っ黒😱
この位置で神経の保存を試みたような治療ではなかったので
おそらく、以前治療された日本の先生が神経はとったけど、そのまま上だけ詰めて根の中の治療をしていなかったのではないかと思われました💧
幸い、そのような状態でも内部の感染が少ないので、レントゲンで根の先に明かな病変が写ってなかったのだと思われたので
患者さんと相談の上、即日での治療は諦めてまずは歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いた精密根管治療をさせて頂くことに。
その日に隔壁を作製し、ラバーダムをして精密根管治療を開始しました。
精密根管治療
精密根管治療をして、内部をできるだけ綺麗にしていき、当日歯の内部を詰める(根管充填)ことも考えましたが
かなり虫歯が大きく長期的な感染もあったと考え、一旦薬を入れて経過を見ました。

次回に症状がないことを確認し
再度ラバーダムをして清掃・消毒した歯の内部を詰める根管充填(こんかんじゅうてん)を行いました。
支台築造
そのまま歯の表面についた薬剤を除去したり、目に見えない成分の影響を除去するための処理をして
ファイバー線維で強化されたレジンという材料などを用いて内部の穴を埋めて土台を作る支台築造(しだいちくぞう)を行いました。

ジルコニア修復

ラバーダムを外して被せ物が入るように形を整えていきます

形を整えたら型取りをしていきますが
ここから、口腔内スキャナーとミリングマシンを合わせたセレックシステムを使用しました💡
口腔内スキャナーで撮影をすると上のような画像データができます💻
ここから被せ物を設計し、削り出しを行うミリングマシンにデータを転送📩
今回はジルコニアを作製していくので、さらにファーネスという焼成機を用います!
削り出したジルコニアの形などを整えたらファーネスに投入
ジルコニアを焼き固めていきます🔥
焼いて硬くなったジルコニアを磨いて色を少しだけ付けて再度ファーネスで焼いて完成へ
これをお口の中に入れると

このような奥歯が根管治療を合わせてたった2日で完成しました👍
ジルコニアクラウンを入れた日にレジンセメントという接着剤をある程度除去するのですが、この接着材は内部で固まるのに時間がかかるため、可能なら少し日数が経過してからしっかり除去することが推奨されています。(固まりきってない時に触りすぎると外れやすくなる原因となるため)
治療前後の比較


術前術後の比較です。
角度とカメラが違うので、やや色味も違いますが😅
奥歯で色はそこまでこだわらないとのことで、歯の色の再現はそこまで厳密にはせず値段を抑えさせて頂きました📸
今回のまとめ
本来ならワンデイトリートメント(即日修復)の予定でしたが
今回は神経が死んでしまっていたので、根管治療が必要となって2日に渡る治療となってしまいましたが。。。
海外に戻る前に治療が終わり、ジルコニアクラウン装着後の噛み合わせなどを確認する時間もあり
患者さんには喜んで頂けました😄
2週間程度の国内滞在で、当院に初めて来院されてから10日間の中で
初日:口腔内の状態の確認、治療部位や治療内容の相談、口腔内の清掃及び歯周治療
2日目:前歯の虫歯治療3本
3日目:銀歯除去、隔壁作製、精密根管治療開始
4日目:根管充填、支台築造、形成、スキャン、ジルコニアクラウン作製、ジルコニアクラウン装着
5日目:レジンセメントの残存がないかの確認と除去、清掃、噛み合わせの確認
という5回の治療で計4本の治療と歯石除去などをさせていただきました。
費用について
今回の精密根管治療とセレックでのジルコニアクラウン治療の短期集中治療の費用は
・精密根管治療:¥120,000
・支台築造:¥20,000
・セレックでのジルコニア(簡易色調再現)即日修復:¥80,000
計¥220,000+税→242,000
治療費が高いと思われるかもしれませんが、海外の治療と比べたらかなり安く
海外で今回の大臼歯の根管治療専門医での根管治療だけの費用が3,000ドル(少し抑えめで計算して1ドル145円としても根管治療だけで43万円以上😵)と言われたそうで、当院で精密根管治療とセレックでのジルコニア修復を合わせた金額の方が費用が半額くらいで済んでしまったという悲しい事態です🤣
なので、海外(特にアメリカ)での歯科治療は高騰する一方で、日本での自由治療の費用が上がってきたと言ってもまだまだかなりお得な治療になります。
それを考えたら日本の保険診療はもっと費用が安いので、海外と比べたら明らかに異常で、材料は海外と同じものを使ってそれできちんとした治療をしようと思っても無理があるのはわかりますね😅
ワンデイトリートメント、短期集中治療を受けたい方へ
まずはお口の中の状態がわからないと治療が可能かもわからないので
当院に連絡を頂き、時間的な要望などをお伝え頂き
実際に受診されて、お口の中の状態やレントゲンのチェック
希望の治療が可能と判断できたら日程を組んでいきます。
ただ、今回のように神経が死んでしまっていたり、虫歯が大きく神経が出たりするなどイレギュラーな事態が発生すると治療内容や予定が変更されることがあるのはご理解ください。
実際の流れ
・電話やネット予約(ご要望などをお伝えください)
・初回:実際の受診で口腔内の確認、レントゲン撮影、清掃、ワンデイトリートメントもしくは短期集中治療を考えた予約
・2回目:実際の治療
・3回目:可能なら治療後の確認、レジンセメントの残存があれば除去
といった流れを推奨しています。
文章ではわかりにくいことも多いと思うので
ご不明な点などあれば当院までお気軽にご相談・ご連絡ください!