お知らせ

1〜2本の歯を失った後の治療、ブリッジとインプラントの違いとは?

山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。

 

日中は朝晩が涼しくなってきて秋の訪れの予感が

と言っても、まだまだ暑い日が続くので体調管理や熱中症などにご注意ください。

 

今回は歯が1本無くなってしまった後の治療で

代表的なブリッジ治療とインプラント治療についての比較です。

(この他に部分入れ歯(義歯)治療もあります)

最後の部分に当院での治療例の写真も出しております。

1本歯が無くなった状態

 

この時にどんな治療をするのか??治療方法を選択する必要があります。

ただ、本来はなぜこの歯が無くなったのか??という原因を考える必要があります。

その原因を取り除くための根本的な治療(原因療法)か

原因は取り除けなくても症状を悪化させないための対症療法か

原因療法で全体的な治療が必要になると、保険診療では不可能なことも多く、費用と時間がかかることがあります、

歯科医師側で勝手に治療を決めて行うこともできないので

説明して皆さんに選択して頂くことになります。

 

なので、今回はその原因についてどうするかが解決した後に、あらためて失った歯をどう補うための治療方法をどうするかについての話になります。

 

ブリッジとインプラントの違いについて

ブリッジとは

歯が無くなった後、隣の歯を基本的には2つ以上使って橋をかけるように補う治療です。

ブリッジ図

このように真ん中の歯が無くなったところに、橋をかけるような被せ物を装着します。

ブリッジはしっかりくっつけるので、基本的には取り外しはしません。

(中には仮付けをして取り外せるようにして、掃除をする先生もおられますが)

なので、違和感は少ないのですが

隣の歯を削ったりするので、大きく歯質を失うことになります。

そのため、神経がある歯は染みたり、痛む可能性があります。

昔は染みるのが嫌で、被せ物=神経を取る先生も多かったようですが

ある大学の論文で神経の無くなった歯のブリッジは格段に長持ちしないとの報告があるので

当院では、基本的に被せ物のために神経を取ることはしません。

また歯を連結(つなぐこと)してしまうので、フロスが通らず掃除がしにくくなります。

 

一旦、簡単にブリッジについてまとめてみます。

ブリッジのメリット

・入れ歯に比べて固定された歯なので違和感が少ない

・インプラントに比べたら短期間で治療が可能なことが多い

・保険治療内でも認められている(材料や治療方法に制限あり)

ブリッジのデメリット

・歯を削る必要がある(前歯で保険外の場合などはほとんど削らない方法もあります)

・つないで作ったものを固定してしまうため、清掃がしにくい

・無くなった歯の分まで、ブリッジを支える歯に負担が増える

(例:2本で3本ブリッジ作った場合、残った2本で無くなった歯の分を補うので、2本の歯に3本分の歯の負担がかかることになります。)

 

ここから保険治療と保険外治療について(材料が多いので、簡単なまとめております)

保険治療でのブリッジ

保険治療で使える材料や手順は国によって決められております。

従来型の「キンパラ」と言われたりする硬い合金が主に使われますが、昨今では金属代の高騰で「銀合金」と呼ばれる銀主体の合金黒を使う歯科医院も増えているそうです。

ちなみに「銀合金」は酸化して黒く

どちらも金属アレルギーの原因になったり

熱いものや冷たいもので金属の膨張や収縮が起こって隙間が空いたり

金属自体が溶出(溶け出すこと)して隙間が空いたりして虫歯になりやすいとも言われています。

保険外診療でのブリッジ

こちらは保険で決められた材料や手順などを考えなくて済むようになります。

ブリッジは何本もつなぐため強度が必要になるので、使える材料に限りがあります。

主な材料としたら、昔であれば金(ゴールド)に代表される金合金(100%金だと柔らかすぎて使えないため、部位によって14Kなどを使ったりします。)

金属の上にセラミックを盛ったメタルセラミックス(メタルボンドとも呼ばれたりします)

ジルコニア(白い硬い材料で、セラミックにはなりますが従来のものとは組成が違います)

ちなみに、ジルコニアではないセラミック(セラミックのみで作製)のブリッジは奥歯以外なら適応があります。

金はすごく良い材料ですが、価格の高騰と見た目の悪さで敬遠されたり

メタルセラミックは金属にセラミックを薄く焼き付けるため欠けたりすり減って金属が出たりすることがあり、現在ではあまり使用されなくなりました。

そのため、現在ではブリッジ治療はジルコニアを用いることが多いです。

 

それぞれのメリット、デメリットを簡単に整理すると

保険治療のブリッジのメリット

・保険治療なので費用が抑えられる

・金属なので壊れにくい(条件によって金属の表だけレジンという材料で白くできますが、柔らかい材料なので白い部分は欠けたり削れたりしやすいです。)

保険治療のブリッジのデメリット

・金属アレルギーの可能性

・溶けたり、熱膨張によって隙間ができて虫歯になりやすい可能性

・金属を使うので見た目が悪い

・治療方法や材料に決まりがあるため、制限が多い

・金属は熱を伝えやすく、染みたり痛みが出やすい

 

保険外治療のブリッジのメリット

・材料によるが、白い歯で作れて見た目が良い(審美的)

・金属アレルギーの可能性が少ないもしくは金属アレルギーがない材料で身体に優しい(生体親和性)

・金属に比べてジルコニアは熱を伝えにくく、知覚過敏を減らせる可能性があったり変形が少ない

・治療方法や材料に制限がなく、精密な治療や装着時の防湿など時間をかけた治療が可能

保険外治療のブリッジのデメリット

・保険治療に比べて費用がかかる

・金合金(ゴールド)以外は、金属に比べて欠けたり割れる可能性がある

(保険治療のブリッジも条件によって表だけ白いレジンを貼ることが可能ですが、そこは欠けたり剥がれたりしやすいです。)

 

このように、完璧な材質や治療方法はなく、それぞれにメリット、デメリットが存在します。

 

インプラントとは

歯が無くなった部位に、チタンやチタン合金でできたネジのような形のフィクスチャーと呼ばれるものを骨の中に入れて歯を補う方法です。

インプラントの上に被せ物をセットする図

 

上の図のように、歯がない部分にインプラントで土台となる部分を作り、被せ物を装着して歯を補います。

この時、隣の歯を削ることは必要ありません(虫歯や治療の必要がある歯は別です)

単独でインプラントによって歯を補えるので、周りの歯に優しいです。

また、単独で歯を作って隣と連結(つなげて作ること)もしないので、フロスを通したりも可能で清掃しやすいです。

最近では審美的にも綺麗な歯を作ることが可能となってきているので、見た目の良い歯が作れるようになってきました。

ただ注意として、感染した時に自分の身体の組織ではないので、免疫機構が弱く感染しやすく悪化もしやすいです(インプラントも歯周病のような状態になります。)

また、歯は少しずつ前方に移動することがありますが、インプラントは骨に固定されて移動しにくいため隣が自分の歯だと隙間ができてくることがあります。

ここで、インプラントのメリットとデメリットについて簡単にまとめます。

 

インプラントのメリット

・隣の歯を削ることなく治療が可能(残った歯に優しい)

・隣の歯とつなげずに済ませることができて清掃しやすい

・骨に固定されているので、しっかり噛めて取り外しをしなくてすむ

・見た目も自分の歯のように作ることができる

(骨や歯肉を増やさないと難しい場合があります)

インプラントのデメリット

・保険治療ではできないため、費用がかかる

(大きな手術後など特殊な場合は大学病院でなら可能な場合あり)

・外科的な手術が必要になる(骨や歯肉がなければ造るオペが必要になることも)

・感染しやすく、悪化もしやすいため丁寧な清掃が必要

・噛んだ感触は自分の歯とは少し違うため、強く噛みすぎることがある

・自分の歯は動くがインプラントは動かないため、自分の歯と間に隙間ができることがある

・外科的な治療を伴う

・インプラントが骨とくっつくまでの期間を待つ必要がある

などがあります。

 

ここでブリッジとインプラントを比べてみると

ブリッジの良い点

・インプラントより初期費用が少ない

(ただし、負担が増えるので支える歯を失った場合はさらに費用が増えることがあります)

・自分の歯を支えで使うので噛んだ時の違和感が少ない

・見た目の回復がしやすいことがある

(インプラントは骨と歯肉が必要ですが、ブリッジは歯肉だけでもあれば見た目の回復ができることがあります)

ブリッジの悪い点

・歯を削る必要が出る

(前歯などで見た目の回復だけであればほとんど削らない方法もあります)

・神経のある歯は染みたり痛むことがある

・歯をつなぐので、残った歯に負担が増える

・隣の歯の状態や歯周病などの条件が悪いとブリッジができない

・ダメになった時は、一気に複数の歯を失うことになる

インプラントの良い点

・固定式の歯で違和感が少なく、しっかり噛める

・隣の歯を削らずに済むので残った歯に優しい

・インプラントだけで歯を作るので、残った歯に余計な負担をかけない

・歯をつなぐ必要がなくなればフロスなども通りやすく清掃しやすい

・骨と歯肉の条件が良ければ見た目のキレイな歯を作れる

インプラントの悪い点

・費用が高い(保険外診療のみ)

・期間がかかる

・外科的な処置が必要

・骨や歯茎がない場合は、先に骨や歯肉を増やす必要が出ることがある

・自分の歯のように移動しないため、歯とインプラントの間に隙間が出ることがある

・感染した場合は進行が早い(インプラントも歯周病のようになります)

 

細かい違いはまだまだありますが、主なものはこのような点があります。

ブリッジは清掃しにくいですし

インプラントは感染しやすいので

どちらも定期的に歯科医院でのメインテナンスが必要になります。

(歯を失ったのが虫歯や歯周病であれば、治療してそのままであればまた失ってしまう可能性が高いです)

 

長々となってしまいましたが

ブリッジ治療、インプラント治療にはそれぞれメリット、デメリットはあります。

一番は自分の歯が全て残っていて、余計な治療をしなくて済むのが一番なので

まずは虫歯や歯周病で歯を失わないように普段のお家の歯ブラシが大切です。

自分で落としきれない汚れなどは歯科医院で行う専門的な清掃などを予防歯科で行い

噛み合わせの悪い場合は矯正治療や噛み合わせ調整

歯ぎしりや食いしばりなどに対してはマウスピースやボツリヌストキシン注射など

歯を守って失わないようにすることが一番です。

 

それでも歯を失ってしまった場合で、何かしらの治療が必要な場合は

上記を参考にして頂けると幸いです。

保険治療は基本的には全国どこでも一緒ですが(施設基準で加算があると多少の違いが出ます)

保険外診療はそれぞれの歯科医院で違ってきますので

治療される医院さんでしっかり相談されてください。

 

当院での治療を考えられる場合は、

お口の状態、ご予算、病気などお身体の状態に合わせて治療についてのご相談、ご説明をし

見積もりを作成して、ご納得頂けたら治療をする流れになります。

何かありましたらお気軽にご相談ください!

 

参考までに

当院でのブリッジ治療(ジルコニアブリッジ)

 

術前、側方

術前、側方面観:左上欠損部

術前、咬合面

術前、咬合面:左上欠損部

術後、側方面観:左上ジルコニアブリッジ装着後

ジルコニアブリッジ

術後、咬合面観:左上ジルコニアブリッジ装着後

これは同じ方で、上の2枚が最初の歯がない時

下の2枚が治療後の状態です。

総合的な治療後なので大きく変わって、別人のお口みたいですが^^;

ジルコニアを使ってブリッジ治療をしています。

ジルコニアは汚れがつきにくく、虫歯や歯周病になりにくいですが

やはり普段の清掃が大切になります。

 

次は当院でのインプラントの治療例ですが

術前、側方

術前、右上の歯が根だけの状態で破折

インプラント術後

抜歯即時埋入でのインプラント治療後に被せ物を装着

上の写真で、少しだけ歯が残っていますが、保存困難で抜歯となりました。

そこに抜歯と同時にインプラントを入れる抜歯即時埋入手術をして

治癒を待って、仮歯装着し最終的な被せ物をインプラントの上に装着しました。

こちらもジルコニアを用いたジルコニアクラウンになります。

見た目の回復もできて、歯をつなげてないのでフロスも通ります(^ ^)

インプラントは虫歯になりませんが、歯周病のような状態にはなりますので

普段の清掃とプロのケア、定期的な確認が必要です!

 

ブリッジやインプラントについて全てを文章化することはできませんが

皆さんの治療を考える際に少しでも参考になれば幸いです( ´ ▽ ` )

学会発表

山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。

 

学会発表

久しぶりに対面式の学会で発表をしてきました。

ただ、先月から喉をやられてしまい…

来院頂いている方は咳が続いているのをご存知の方もおられるかと思いますが

(ご心配な方もおられるかと思いますが、発熱もなく新型コロナ感染などではないのでご安心ください^^;)

学生時代の部活の声出しや応援などで喉を酷使したせいか

大人になってから気管支が弱くなって、風邪をひいたり花粉症の時期は声がでなくなったり咳が出たり

時には喘息のように咳が止まらなくなることもあるので

診療の際にご迷惑やご心配をお掛けすることも多くて心苦しいばかりですが。

 

今回は学会の発表前に喉をやってしまったので、準備が大変でした(−_−;)

すぐに治るかと思ったら、1ヶ月近く経っても咳が続く事態で…

自分なりの発表前のスライド作り方ですが

発表時間を考えて、とりあえずスライドや発表内容を大まかに作り

そこから何度か一人で発表の練習をしながら、時間がオーバーしていたら内容を削ったり、大切な部分を付け加えたり

色々と調整をしていくのですが

原稿を用意する方も多く、それであれば時間配分などもある程度わかりやすいと思いますが

今まで教わってきた先生方から原稿読みをしている感じは良くないと言われてきたので

自分は原稿は一切なしで、言いたいことをある程度考えておいてスライドや会場を見ながら発表をするようにしているので

自分で声を出して話しながらスライドも話す内容も変えていくスタイルで準備をしているのですが

 

今回は、咳が出るのでどうしても練習しても咳が出る分発表が長くなってしまい

咳が出ない状態で発表をしたら何分くらいで終わるのかもわからず

ほぼほぼぶっつけ本番になってしまいました。

本番前にはのど飴にのどスプレー、水などを用意してなるべく声を出やすく咳は出にくくしたり

色々とやったおかげか、なんとか無事に発表を終えることができました。

発表して色々と意見を頂くと、自分とは違った視点や、経験のある方の見方など

毎回勉強になることが多く、自身のレベルアップにつながると実感します。

反対咬合矯正治療、補綴治療後

こちらが発表内容で

左の写真のように受け口の状態だったのを

右の写真のように、他施設と連携で治療をして正常なかみ合わせに近い状態に変えた治療について発表をしました。

 

今後も何か機会があればレベルアップにつながるような発表はしたいと思っていますが。

来年度は学会の委員を降りて、立場的に自由になるので

今までは学会優先で自分なりに少し無理してでも学会に参加してきましたが

4月からは今まで学会と日程が重なったりしてなかなか行けなかったところに勉強にいったり

医院の設備導入したデジタル機器などをもっと上手く使いこなせるような勉強など

学会だけでなく、別のグループなどでも勉強して広い視点でさらに治療の幅を広げていきたいと思っています。

ホームページについて

山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。

 

ホームページについて

新しいホームページを製作中で、会社を変更することになったのですが

とりあえず今まで使用していたホームページを使えるようにして頂きました。

早速スタッフの方から3月の診療日についてアップしてくれたようですが

ブログ等は上げていけるようなので

新しいものが完成するまでまた投稿などしていきたいと思っていますのでよろしくお願い致します!

 

インプラントのガイドシステムについて

今回は歯科医院のデジタル化について

先月は被せ物の形態修正や色付けについての実習を受けてきましたが

先週の土日の連休で、デジタル技術について学んできました。

歯科医院のデジタル化で現在できることは少しづつ増えていますが

多いのが口腔内スキャナーと言われるカメラで歯の型取りをして、そのデータを歯科技工所に送り

そのデータから被せ物などを作製する技術です。

その作製する側の歯科技工所でも、かなり先端を進んでおられて設備も物凄く充実している技工所さんが会場で

中の設備を見ているだけでも楽しくなるような歯科技工所さんでした。

(これで心躍るのはやっぱりおかしいのでしょうね笑)

しかもおしゃれな外観と内観で、上には懇親会などもできるスペースにカウンターバーまで設置されており

男心をくすぐるような秘密基地的な感じでしたね( ^ω^ )

 

当院では口腔内スキャナーのデータを送って歯科技工所さんで作製もできますし

以前からお伝えしていますが、院内で加工して被せ物を作製することも可能です!

それ以外の活用として矯正治療、インプラント治療がありますが

今回はそのインプラント治療で使うガイドシステムについてです。

ガイドシステムとは、CTで骨の状態を確認し、どこにインプラントを埋入するかを考えてシミュレーションし

その位置にインプラントがくるように、ドリルが僅かに通るくらいの穴を開けた装置のことを言います。

CTシミュレーション画像 インプラントガイド

左側が写真がCT上のシミュレーション画像ですが(上の写真は全て当院で作製したものです)

失った歯の形態をデジタル上で再現し、そのデータをCTに取り込みます。

で、その歯の形態をCTに重ね合わせ、歯の形態に対してどこにインプラントがあれば良いか骨を確認しながら位置や深さを考えます。

そこから更にインプラントの太さや長さも考えます。

で、そのシミュレーションしたデータを削り出す機械に送ります。

右側の写真が、そのデータから削り出されたガイドになります。

歯の上に乗せてズレがないか確認しますが、かなり精度良くピッタリはまり

ズレも少なく、考えた位置にインプラントを埋入することが可能となり

安心で安全なインプラントオペが可能になります。

 

大きなガイドシステムは無理ですが、1本や2本くらいなら当院では院内で作製することが可能です!

この作業も慣れたらそこまで時間がかからないので、短期間で作製可能となります( ´ ▽ ` )

 

歯科のデジタル化は作業効率や時間短縮などに有用な技術で

今後もどんどん発展していくと思うので

メリットが多ければ当院もできるだけ新しい技術や設備を導入していきたいと思っています。

もちろん、新しいだけで取り入れることが難しいこともまだまだ多く

色々な方の意見を聞いて、自分なりに考えて選択しないといけませんが(^◇^;)

その情報収集と研鑽は欠かさずに続けていきたいと思っています。

 

当院ではスタッフを募集しております。

もしご興味がある方は見学からでも良いのでお気軽にご連絡ください!

 

骨が少ない場合

山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。

 

新型コロナの感染者が増えて、いよいよ第8波との報道が増えてきましたね

特に制限もないままのようなので、感染者は増えていくのでしょうが

今後も感染した場合の濃厚接触者の制限などがあるのなら社会は回らないでしょうし

国がどうしていくのか気になりますが

しばらくは、自分たちでできる感染対策を続けていくしかないですね(・_・;

 

今回はインプラント治療で、骨が少なくてそのままではインプラントを埋入(骨内に入れること)ができない場合についてですが

上顎の奥歯では特に上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる、鼻の横にある空洞が問題になります。

歯がなくなると必ず骨が痩せてきますが

上顎洞という空洞は徐々に拡大してくることがあり、それによっても骨の高さが減ってしまいます

そういったことから、上顎の奥歯を失って期間が経っているとインプラントをしたくても難しい状態になってしまいます。

そうなると、歯科医院さんによってはインプラント治療ができませんと言われてしまうのですが。。。

 

インプラント治療をするためにその上顎洞内に骨を作るオペがあります。

上顎洞底挙上術(じょうがくどうていきょじょうじゅつ)、サイナスリフト、サイナスフロアエレベーション、ソケットリフトなどと呼ばれるオペですが

(沢山呼び名はありますが、基本的には一緒のことです)

オペは主に2種類で

インプラント治療する際に、インプラントを入れる小さな穴から粘膜を持ち上げて骨を作る、主にソケットリフトと呼ばれる方法

これはある程度骨があるけど少しだけ足りない場合などに推奨されており

小さな穴からやるオペなので侵襲は少ないですが、見えていないところを感覚でやるので非常に怖いオペになります。

上顎洞の粘膜は非常に薄いので破れやすいのですが、それを直接見えてない状態でやるので粘膜の状態に気付きにくく。

もし粘膜が破れてしまったら、別の手術に切り替えないといけなくなる事もあるので

このオペはもう1つの主にサイナスリフトと呼ばれる、直接見ながら粘膜を持ち上げるオペができる必要があると言われています。

(ただ、正直にいうとソケットリフトはするけどサイナスリフトはできないといわれる先生も多くおられます)

 

もう1つがサイナスリフトと呼ばれる方法で

ほとんど骨がなくて、高さも幅も大きく足りない場合はこちらのオペが選択されます。

インプラントを入れる穴ではなく、別の部位に骨に少しだけ大きめの穴を開けそこから直接粘膜を見ながら持ち上げるオペになります。

こちらは侵襲が大きいですが、直接粘膜を見ながらやるオペなので粘膜が破れた時にも気付くことが可能です。

上顎洞の粘膜は非常に薄く、経験のある口腔外科医でも粘膜が破れてしまうリスクが比較的高いとても繊細なオペになります。

(以前のブログで、生卵の殻の内側の薄皮で練習している写真を載せております)

以前はかなり大きな穴を開けているオペが多かったですが、最近は拡大鏡や歯科用顕微鏡の使用で

できるだけ侵襲を減らすために、以前よりは小さな穴からオペをするための器具なども増えており

当院でも、そういった器具を導入しております。

 

こちらがオペ後のレントゲン写真ですが

白く卵状?ドーム状?に見える部分が、粘膜を持ち上げて人工骨を入れた部分になります。

これで数ヶ月待って、固まるのを待ってインプラントを入れていきます。

ちなみに、こちらは当院でのオペではありませんが、依頼された出張先で自分自身でやったサイナスリフトの術後の写真になります^^;

 

ピエゾサージェリーと呼ばれる術後の負担の少ない機械を用いたオペをし(当院から持参していきました(^_^;))

いつも使用している8倍の高倍率の拡大鏡も持参で、できるだけ小さな穴から小さな器具を用いてのオペをしています。

小さな術野にしたのと慣れない出張先でのオペで、思ったより時間もかかってしまい患者さんに時間的な負担をかけてしまったのが反省点でしたが…。

無事にオペも終わって、大した出血もなく終えることができました。

 

できるだけ歯を残す治療を心がけている分、当院ではインプラント治療は少ないですし

このようなオペを回避できるなら短いインプラント(ショートインプラント)の使用などもしており

当院の院内でのサイナスリフトの施術は今まで全くないのですが(^◇^;)

出張先ではこのようなオペをしておりますので、もし上の奥歯でインプラント治療がしたかったのにできなかったなど

何かありましたらお気軽にご相談ください。

 

もちろんオペなので必ず成功するものでもなく、骨の状態などで当院(自分の技量)では困難だったり無理な場合もありますし

様々なリスクもあるので

精密検査後にそういったご説明をさせて頂いて、ご納得頂いた上での処置になることはご理解ください。

 

現在、当院では歯科衛生士さんを募集しております。

このようなアドバンス的な治療も時にはありますが

コミュニケーションと説明、基本的な治療を大事にした治療をしております。

設備面も高度な滅菌機械、口腔内スキャナーなどの新しい設備、スタッフの負担を減らせるような設備の導入を積極的にしておりますし

社会労務士さんと顧問契約をして、労働環境の設備や休みを取りやすい環境をできるだけ整えられるように日々努力しております。

勤務開始日も急募というわけではないので、ご都合に合わせて相談の上でも可能と考えておりますし

パートであれば当院の希望の日や時間などはありますが、ご希望の曜日などがあれば相談の上で決めていけたらかとも思っています。

見学からでも構いませんので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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