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根管治療院長

山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。

 

神経を取ってもらったのに歯が痛むので診て欲しい

最近、他院さんで神経を取ったのに痛みが続いている方や、1年以上も根の治療をしているのに痛みがある、などなど

根管治療(こんかんちりょう)と言われる、歯の内部、いわゆる根っこの治療についてご相談を受けることが増えています。

 

結論から言うと、神経をしっかり取られているのであれば歯の痛みはないはずなので

あるとしたら歯の周りや根の先で炎症があるか、歯ではなく別の原因などを考えます。

 

他院さんでずっと治療をしていたけど痛みが続くからみて欲しいと転院されてきたり

実際に治療をされていた歯科医院の先生から、原因がわからないからと紹介を頂いたり

県外の先生で、相談のメールやLINEを頂いたり

根の中は見るのも難しいですし、内部は神経や血管が入っている空間が複雑な形をしているので

昔から根管治療は非常に難しい治療です。

 

日本の根管治療の現状

日本では保険診療で定められた価格が非常に安く設定されており、本来は時間がかかる治療なので不採算とされる傾向です。

また、使える薬剤なども保険適応があるのかないのかなどが決まっているので

海外や保険外の自費診療(自由診療)では当たり前に使われている道具や薬剤が使えなかったり

使えたとしても高価なものは保険診療で決められている安い金額の保険診療では採算が合わず赤字になるため使えなかったりしますし

費用が安いので、多くの時間がかけられなかったりします(時間が一番のコストかもしれません)

特に昔の虫歯の洪水と言われる虫歯の患者さんが非常に多かった時代には

すぐに神経をとって、時間がないので根っこの治療も簡単に終わらされたような治療が多いです。

 

日本では根管治療を保険診療できっちりやるのは無理と書かれている書籍なども多くあります。

日本でも根管治療を保険外の自費診療(自由診療)でしかされない専門医の先生方がおられますが

費用は1つの歯で安くて数万〜高ければ数十万になるので

そのような高価な治療と同じ内容を保険制度の中で求めるのは無理だということが分かります。

 

どうして簡単に治療されたとわかるのか?

それは、レントゲンで根の中の詰められた状態を見ることが可能だからです。

根っこの治療をされているはずなのに中が詰められてない歯もよく見かけますし

詰めてあったとしても細い詰め物がレントゲンでやっと見えるくらいの状態であったり

神経をとると痛みはなくなりますし、土台を入れたり被せ物をしたら患者さんが中を見ることはないので

かりに手を抜いていても分からない治療になります。

 

我々歯科医師からすると

根管治療の治療後の状態をみれば、見えないところもしっかり丁寧に治療される先生なのかすぐに分かります。

「一生懸命治療される先生だな」とレントゲンをみて思うのは歯科医師あるあるかもしれません(笑)

海外の専門医の先生や日本で保険外診療(自費診療・自由診療)でのみ治療される専門医の先生がされる

時間も費用もかけて行う治療と同じものを日本の保険診療で行うことは不可能ですが

そこをどこまできちんとされているのか、歯科医師の良心と技術次第かもしれません。

 

本題:なぜ神経を除去したのに痛む?

これにはさまざまな可能性があるので全てを書くことはできませんが。

神経を除去した直後の場合

・虫歯などで神経に炎症が出て神経を除去する必要があったため、その炎症が根の周りに広がって痛みが出ている

・神経を取る行為は器具を使って神経を除去するため、どうしても傷をつけてしまい炎症を起こしてしまう

・根の中は複雑な形で神経が存在しており、根の先の方や発見が難しい位置に神経が一部残っているため

などが多いです。

 

神経を除去してしばらく経っても痛い場合

・虫歯が残っていて、感染源が除去できていない

・噛んだ時に歯と歯が当たってしまったり食べ物などで歯が圧迫されて、根の先に負担がかかって治りにくい

・炎症が根の周りに広がって残っている

・虫歯や歯が割れて歯茎の下まで歯がない場合、ツバなどと一緒に歯の中に細菌が入ってきて炎症が出ている。

などが考えられます。

 

神経を除去したのに長期間ずっと痛みが続く場合

・見つけにくい位置に神経の入っていた空間があり、そこの治療ができてないままで中が感染してしまっている

・仮の詰め物や蓋が弱く、細菌が中に入ってきて炎症を起こしている

・歯茎の下まで歯がなくなっていて、ツバなどと一緒に隙間から細菌が入って炎症を起こしている

・根が割れていたり、ヒビが入っている。

・噛み合う歯や食べ物、舌などで触って押してしまい、根の先に力が加わって炎症が取れない。

・歯ではなく別の原因で痛みが続いている

(痛みが続いていたため少しの刺激でも脳が痛みがあると感じてしまっていたり、三叉神経痛など様々あります)

などが考えられます。

 

どんな治療をするのか?

まずは、原因を探していきます。

感染症の治療は基本的には全て同じなので(新型コロナなどの対策と基本的には同じです)

感染経路を塞いで感染させないように

感染しているなら薬などで消毒、殺菌したりで細菌やウィルスの数を減らす

です。

なので感染の原因となるものをなくすため、まずは虫歯が残っていればしっかり除去します。

(これは前回のブログのカリエスチェッカーなどを参考にして頂けたらかと思います。)

次に感染経路や感染源の侵入経路を塞ぐための処置をします。

これで新たな細菌が入ってきたり、増えたりすることをできるだけ減らすことができます。

そして今度は中の感染している細菌を減らすため、古い詰め物を除去し消毒薬で洗ったり、中に薬を入れたりして殺菌していきます。

このような処置で細菌が原因の炎症であれば症状が緩和していきます。

 

それでも痛みが続く場合

根の先の炎症の可能性があるので

安静にするために、治療しすぎて先を触りすぎないようにしたり

痛み止めの抗炎症作用を期待して鎮痛薬の処方

噛み合う歯が強く当たる部位があれば当たらないようにしたり、舌で触りすぎないようにして頂く

 

上記のようなことをしても痛みが続く場合

歯が割れている可能性があれば、少し期間を空けてレントゲンやCTで確認(割れた直後は分かりにくいことがあります)

歯周ポケットの確認(ヒビがあれば歯周ポケットが深くなって来ることがあります)

根の先に細菌が出て住み着いてしまった場合は、根の治療後に外科的に根の先を一部除去する歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)を行うことも。

また、歯が原因でない可能性があれば、考えられる専門の医院(三叉神経痛を疑うなら脳神経内科や外科など)や

痛みの専門家であるペインクリニックなどに紹介することもあります。

 

当院では、必要であれば保険、保険外(自費診療・自由診療)は関係なく感染経路を塞ぐための処置をします。

これは隔壁(かくへき)などと呼ばれる処置で、

際根管治療、隔壁前
隔壁作成前で、被せ物や土台を外したら中が黒く汚染されています。
隔壁作成後
カリエスチャッカーなどを使って虫歯を除去し、レジンという材料で隔壁と呼ばれる壁を作ってできるだけ感染源が入って来ないようにします。

このような処置をした後に根管治療と呼ばれる、歯の根の中の治療を開始します。

治療の際は高倍率の拡大鏡や歯科用意顕微鏡を用いて感染源をできるだけ除去していきます。

 

このように当院では保険診療でもできるだけの治療はさせて頂いております。

また費用がかかっても自分の歯を残せる可能性を上げて欲しいと希望される方向けに保険外(自由診療、自費診療)での根管治療も行なっております。

歯科医師ができることは、あくまで人体が治癒できる環境を提供して身体の治す力が最大限発揮できるようにするだけで

全ての症状を治すことはできないと思っていますが

皆さんの困っている症状を少しでも改善させるために日々努力しております。

 

もし歯科治療で何かお困りごとなどがありましたらお気軽にご相談下さい!!

 

〜当院ではスタッフを募集しております〜

特に当院の歯周病治療や予防歯科で大切な役割を果たしてくれる歯科衛生士さんを募集しております。

個人の歯科医院でも社会保険完備は当たり前になってきておりますが、当院はだいぶ前から社会保険完備です。

現在、当院には産休・育休取得中の歯科衛生士さんがおられますが

産休・育休を考えた場合、社会保険がやっぱり良いなと実感しますし

週休二日制で、スタッフ間で調整をつけての有給取得も多いです。

また、昇給なども定期的にしており、昨年度は年2回の昇給の実績もあります。

待遇面だけでなく、勉強やスキルアップを考えておられる場合は、当院でできるだけの協力をさせて頂きます。

山口県宇部市周辺で歯科衛生士さんとして勤務を考えておられる方で当院にご興味があれば

見学だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。

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