山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です🦷✨
前回は歯科のレントゲンやCTについて書きましたが
その中で少し書いた睡眠時無呼吸症候群について今回は書いてみたいと思います。
これも全てを書くことはできませんし、詳しいことはお医者さんの領域になってきますので
歯科でどのようなことをするのかを中心に書いていきます。
目次
睡眠時無呼吸症候群とは?
簡単に言うと、寝ている時に呼吸が止まってしまう病気のことです😪
いびきをかく人は要注意と言われています💦
1時間あたりの呼吸が止まる回数などで重症度などが測られますが
呼吸が止まった時間が長くなると1時間あたりの回数は減るので、血中の酸素飽和度(血液中に取り込まれた酸素の値)が大切ではないかとも言われています。
睡眠時無呼吸症候群の原因
原因としたら、
1)上気道の障害によるもの
2)中枢性によるもの
3)上記の両方の問題によるもの
があります。
歯科で対応が可能なのは1)の上気道の障害の原因の方で(中枢性は基本医科での対応しかできないと思います)
顎が小さいなどの骨格的な異常、歯並びが悪くて狭いため舌の置き場がなく後ろに下がって気道を圧迫するなどの問題で矯正治療や噛み合わせの治療などで原因治療をすることもあれば
原因を改善するのではなく、症状を改善させるために口腔内装置を入れることもあります。
他に体重が増えて周りに脂肪がつくと気道が圧迫されるので、ダイエットなどについてのアドバイスは可能かもしれません😅(それも基本は医科での食事指導や運動指導、他に病気がないかなどの検査などをした方が良いかもしれません)
睡眠時無呼吸症候群の問題
1)日中の急な眠気、事故の誘発
運転中や作業中の居眠りで事故を起こすことがあります。
少し前ですが、バスや電車などの運転中に居眠りをして大事故を起こした例があり、マスコミで一気に問題化したことがありました⚠️すぐにマスコミ報道も熱が冷めて今ではあまり聞かなくなりましたが💦
2)身体への負担
まず10秒以上息を止めてみてください
できる方はそれを何度も繰り返しみてください
苦しく思われるかと思います😰
それを寝ている無意識の状態で1時間のうちに何度も何度も繰返している病気です😴
それだけ身体にすごく負担がかかっていることになるので
心臓や血管への負担が増加し、心臓疾患や高血圧などの血管系の疾患の発症や悪化のリスクが上がります。
たまにテレビの健康系番組で、芸能人の方々が検査をされて生存年数のようなものを出されて、数年で死亡するリスクがあると出たりしますが
心臓や血管への負担から、突然死のリスクが非常に上がります。
睡眠時無呼吸症候群に対する治療をしてない方は、心疾患リスクが上昇する報告が多数あります。
3)精神疾患のリスク
学習や労働意欲などの低下を招くと言われおります。
睡眠の質の悪化や、身体的な負担などの増加のため、日中のだるさや意欲の低下などからうつ病などの発症リスクも上がると言われています。
4)合併症
厚生労働省が課題として掲げる5疾患
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患
これらが睡眠時無呼吸が隠れた増悪因子と言われております。
特に頻度が高いと言われる、高血圧症・虚血性心疾患・脳血管障害の合併症は2〜5倍と報告があります。
5)死亡リスク
重症の方は20年で生存率が50%くらいとの報告があります(20年なので、関連のない死亡例なども入っている可能性はあるかもしれませんが💧)
心臓や脳などの血管系の疾患や糖尿病などの悪化など、様々なリスクが上がるのは間違いがなく。様々な医療関連の本はもちろん、テレビ等でも著名なお医者さんが突然死のリスクが高くなると発言されていルコとから間違いのない話ではあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法
大きく分けて外科的な手術によるもの、装置などを利用したもの、があります。
また、中枢性のものは、脳などの方になるので専門的な対応になるので、ここでは中枢性以外のものの治療方法を記載します。
外科的治療
舌が後方に下がって気道を狭くする場合や、顎が小さくて気道が狭い場合は外科的に治療をして根本的な治療を行うことがあります。
舌が付く舌骨の位置を変えたり、骨を切って顎を前に出したり広げるような外科的矯正治療などが適応されます。
CPAP(シーパップ)
循環器内科や耳鼻咽喉科などで貸し出されたり、購入したりする装置で、圧をかけて酸素を送り込む機械を付ける治療方法です。
根本的な治療ではありませんが、これを装着するとしっかり酸素を取り込むことができます。
デメリットとしたら、装着が難しい方がいたり、旅行や泊まりなどの際に困る(今は旅行用の小さなものもあると聞いていますが、詳しいことは治療される医療機関にご相談ください)、口が乾燥する、などがあります。
重度の方はCPAPが適応になることが多いです。

口腔内装置
これは我々歯科医師と技工士さんやメーカーさんが作る口の中にはめる装置です。
いわゆるマウスピースをイメージしてください。
軽度〜中等度くらいが適応と言われています。
顎を少し前に出した位置でマウスピースを作成します。顎を前に出すので、顎の痛みや不快感が出ることがあります😰

上下で一体型か、上下で分かれた2ピースタイプがあり
材料や作り方で保険適応と、保険適応外のものがあります。
保険適応の口腔内装置
作成〜完成までの流れ
保険診療では、作成方法や装置の素材などが国によって決定されているため、あまり自由がありません。
レジンというプラスチックのような材料を使い、基本的に上下一体型のマウスピースになります。
また、歯科単独での治療はできず、医科との連携治療で紹介状がないと保険診療はできません💧
循環器や耳鼻咽喉科などで睡眠時無呼吸症候群の検査を行い(入院して脳波や呼吸状態などを測るための色々な装置をつけて実際に睡眠中にどうなっているかの検査をします)、睡眠時無呼吸症候群の診断をつけて頂く必要があります。
その後、担当医の先生がCPAPなのか、口腔内装置なのかを決定されます。
口腔内装置を作成となった場合は、医科から歯科医院に装置作成の依頼とともに紹介され、歯科で型取りや噛み合わせなどをとって、口腔内装置を作成し、患者さんの口腔内に入れます。
(顎をどのくらい前に出して噛み合わせを取って装置を作るかは、各歯科医院でやり方も考えも少し違うかと思います。)
その後、顎の症状、可能ならイビキや酸素飽和度を測定するようなアプリなどを用いて検査したり、セファロと呼ばれるレントゲン撮影やCTで気道の状態を比較したり、日中の眠気や日中のだるさなどの自覚症状などを元に顎を前に出す量を変更していきます。

良いと思ったところで、再度以下の方で検査をして、再度医科で検査をして検査結果に改善があればその位置でマウスピースをしっかり固定する流れが多いです。
顎を前に出した状態で上下のマウスピースを固定するため、顎が痛んだり違和感が出ることがあります。また、歯軋りなどが強い方は顎が自由に動けないため、顎の痛みや違和感が強く出ることがあります。
⚠️上記の流れは、治療を受ける医科や歯科で多少違うところがあるかもしれません。
自由診療での口腔内装置
こちらは保険の流れに沿うことなく自由に作成が可能です。
材質も何を使おうと自由になります。
睡眠の質が悪かったり、いびきの自覚、家族等からの指摘などで作成を希望されることもありますし。
睡眠中の筋電図や血中酸素飽和度を測定する機械やアプリなどでの簡易検査などを参考に作成することもあります。
ただ、基本は医科で検査をして治療が必要と判断されて、口腔内装置の作成で治療が可能との診断を受けてからの作成が良いかと思います。
流れは上記の保険治療とほぼ同じですが
型取りを口腔内スキャナーを使ったスキャンデータで作成することが可能だったり
使う材料がシリコン系の柔らかいもの、レジンでも口腔内のデータから3Dプリンターなどで作成した丈夫なもの、上下一体型から分離型で顎がある程度の範囲で自由に動かすことが可能なもの、など様々な種類を自由に選択できます。
上下分離型(2ピース)は、歯軋りで顎を動かしてしまう方でも使いやすく、不快な症状が抑えられることがあります。

こちらの装置は当院で治療のためにデータを取って、メーカーさんに依頼をかけて作成した自由診療用の口腔内装置になります。
上下分離型の装置で、青いバンドで顎を前に出す量を調節することが可能なので
装置を作ってから効果を確認、効果が薄ければバンドを変えて顎をもっと前に出したり
顎が痛くて使えないと思っても、顎を前に出す量を減らして症状の緩和を図ったり
が可能です。
装置を作成した直後は良くても、使ううちに症状が出てくる方もいるので、保険治療などで作る一体型は装置を預かって上下で固定した部位を一度壊して再度付け直したりする必要がありますが
こちらはバンド交換で済むので、預かることもなくある程度の調整が自由にできるメリットがあります。
まとめ
様々な疾患を悪化させるリスクがある睡眠時無呼吸症候群ですが
睡眠時無呼吸症候群を歯科で治療する場合は、基本的には医科との連携治療になります。
治療方法には様々なメリット、デメリットがあるので、まずは医科の担当医の先生とよく相談をして治療方針を考えてください。
歯科での口腔内装置も、保険治療では限られた選択ですが、自由診療の場合は様々な種類があってそれぞれメリット、デメリットがあります。
まずは保険診療の装置を作成し、それが合わないときに自由診療の装置を作成してみる選択肢もあります💡
睡眠の質が悪かったり、実際に無呼吸を指摘されている方、持病がある方などは医科を受診して頂いたり、かかりつけ歯科に相談して医科の先生に紹介してもらうことも可能かと思います。
ここでは全て書けませんし、お医者さんの方の詳しい内容は歯科医師が全て説明することもできませんので。
まずは気軽にかかりつけ医やかかりつけ歯科に相談されてみて下さい!!


